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経営のへそ 2010年1・2月合併号

営業を科学する

うちの営業部はバラバラで、個人商店みたいだ

それぞれの営業担当者が個人個人の考え方で売上を獲得するために日々活動している。営業が社外でどのような活動をしているかは、報告されることしか営業部長にもわからない。話を聞いていると、色々な話やお客様名が出てくるので、営業部長も全ての状況を把握しようとするが、正直、情報が多すぎて覚えきれない。直近の話はわかるが、「今日の訪問はどこだ?」「○○商事に以前からの件で定期訪問です。」と言われると過去のことまでは覚えきれない。結果として、日々の活動は個人任せにするしかなく、「売上を取って来い。」と激励するのが営業部長の仕事になっている。このような営業部を“個人商店”と呼ぶが依然として多く見かける。一方で、今の時代は営業担当者に任せてもなかなか売上が上がらなくなってきた。高度成長時代は終わったためニーズが見当たらなくなったこと、ニーズがあっても不況のため予算が無い企業や消費者が増えたからだ。このため、営業活動の見直しや強化に組織的に取り組むことが重要視されているが、個人商店のような営業部では営業活動が分析できないために改善へと進めない。まずは営業を科学することが必要だ。

KPIで営業を科学する。

KPI とは、
Key Performance Indicators:重要業績評価指標

の略である。営業活動を見直すためには、まず科学的に行動を数値に置き換えることが効果的だ。営業活動にとって重要な指標を挙げると、次のような指標例がある。

対応顧客数
取引がある先、取引が無いが営業に訪問している先など含めた総数
問合せ発生数
リードとも言い、資料請求や電話問合せ、モデルハウス訪問数など
重点客訪問率
営業先のお客様を重点と非重点に区分した際の重点客への比率
有効活動比率
日々の営業活動において、有効な活動の比率
見積り提出数
商談が進捗し、見積書を提出できた数
訪問率
会社で定義している訪問頻度の達成状況
受注率
問合せから成約・契約に至った割合
ヒアリング率
重要ヒアリング項目が記載されている割合

上記KPIは、あくまでも一例であり、それぞれの企業の事業によって採用すべき指標は異なるので注意が必要であるが、この指標から営業を科学していく。ある企業では、有効活動比率を営業日報から数値を導き出して分析を行った。この企業における“有効な営業活動とは”を定義し、営業日報にチェックマークを付ける。単なる納品や既存企業へのフォローは除外された。3ヵ月後に各担当者が集計し会議を設けた。結果として、①有効活動比率の平均が30%以下であったこと②各担当者間で20%~50%と異なり、バラつきが大きいことが判明した。一方で売上目標は新規客からの売上がなければ組み立てられないようになっている。活動の大幅なシフトが必要なことに気づいた。

効果的な営業活動を炙り出す

前項で指標を活用する例を挙げたが、実際にはそう簡単にいかない。理由の一つは「そもそも指標管理をするだけで売れるはずが無い」と営業担当者が思っているからだ。これはもっとも意見であり、指標管理は効果的な営業活動を炙り出すために“そもそもどのような活動をしているのかを整理し分析できるようにする”ことが目的であるからだ。売上を上げるには、もう一歩踏み込み、商品・価格・ツール・ターゲットなどを変えていく必要がある。どのような指標も管理するだけでは売れない、指標から気づきを得て改善に活かすことが重要である。

KPIから情報の整理・オープン化、IT活用へ

KPI管理はあくまでも数値管理であり、数値の背景には個別の活動が行われている。単に数値だけで管理すると、個別事情が反映されていないことや数値が事実を適切に表していない場合に現場の活動と改善活動にずれが生じてしまう。ついては、日々のミーティングや営業日報などを通して、訪問先や発生した商談の内容をオープンにし数値の背景を把握することが重要である。これらの営業情報は振り返って検証できるように少なくとも2~3年分は見返せるようにしておきたい。このような情報管理は初期段階であれば、エクセルなど一般的なソフトで管理可能であるのですぐに取り組むことができる。将来的には多くの顧客数や営業案件情報を網羅し活用できるSFAなど営業支援ソフトが便利だ。営業支援ソフトでは、情報・指標の整理やピックアップができ、対応のヌケモレを防いだり、チームとして情報共有を図ることができる。また、営業情報を掘り下げて見ることができるので、“よりよい活動を真似しやすい”。真似ることは個人のスキル向上の第一歩となり、営業担当者は成長のきっかけを得ることができる。なかなか売れない時代になると、営業担当者が責任を問われることが多い。しかし、個人に任せていても解決されることは稀である。個人の力量に頼らずに、組織としてどのように対応していくか、どのように営業を考え、科学していくかが重要になっている。

経営コンサルタント/中小企業診断士 石堂 修

組み合わせを考える・その1

組織人事を考える上で最も重要なテーマは「組み合わせ」だろう。

この「組み合わせ」というテーマはさらに2つに分けられ、1つは「適性とポジションの組み合わせ」、もう1つは「構成される社員同士の組み合わせ」である。

組織人事における『組み合わせ』というテーマは2つある

  • ①適性とポジションの組み合わせ
  • ②構成される社員同士の組み合わせ

今回は、1つめの「適性とポジションの組み合わせ」についてである。

「立場が人を作る」- 一昔前まではこう言われていたが、変化の激しい今そんな余裕はないし、果たして本当にそうであろうか。企業としてのマネジメントを放棄した、単なる屁理屈ではないだろうか。

今後、中小企業の組織人事の見直しはこの点に疑問を持つことから始める必要がある。

組織で様々な変革が叫ばれても、特にマネジメントに対する人事評価というのは変革が進まないエリアの一つである。それが上手くいかない要因は「捨てられない」ことだろう。

人事評価において「マネジメント」という観点での評価は、あまり行なわれていないのが実情だ。では、マネージャー達は何で評価されているかと言えば、前の職制(または職位)と変わらず、プレイヤー個人としての実績である。つまりマネジメントするセクション全体の実績ないし貢献度ではなく、結局は個人レベルでの評価になる。その結果、一時期世間を騒がせたのとは違った意味での「名ばかり管理職」の問題を組織に残し続けるのである。

この「名ばかり管理職」の問題で深刻なのは、管理職である社員個人の「意識の変化が起こりにくい」ということである。最悪のケースとしては、全体レベルでの責任感の欠如、責任回避や押し付け、自身の承認(評価)欲求だけを主張、保身といったディレールメント(問題行動)を引き起こし、組織力を低下させる。

当然と言えば当然だ。部下がよほどのミスをしない限りは、部下に対する寄与度合いよりも最後は個人の貢献度合いで判断されるのだから。そうなると自身の行動や言動にマズい点を振返ろうともせず、見方を変えれば主任だった先月と課長になった今月ではなんら変わらない動き(意識)となる。だから結果として過去の動き(意識)を捨てられないことになる。

「身に付く、付かない」、または「出来るようになる、出来ないまま」、ということは別として、マネジメントやリーダーシップ、コーチング、などといった簡単なノウハウ本の一冊すら手に取らないような社員を管理職にしてはいけない。これは教科書での勉強を推奨しているわけではないし、頭でっかちになれと言っているわけでもない。まして座学で身に付くマネジメントの知識やスキルというのは実務レベルではたかが知れている。しかし、こういう行動や意識がないというのは適性以前の問題なのだ。なぜなら今の自分自身に問題はないと思うから昨日の延長で良しとするのであろう。変化の必要性も感じないのである。

自己のマネジメントすらできないのに、どうして部下のマネジメントができるだろうか。

組織としてもこういう評価を続けていては、個人レベルでの貢献度という見方を捨てられない。「あのマネージャーは、部門の成果に関係なく評価されている」こういう部下からの批判や方向性を軽視する行動、言動といったものはこういった矛盾が生み出すのだ。

人事コンサルタント/社会保険労務士 佐藤 賢一

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